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国境突撃 2009/10/02 アンカラ,トルコ→アレッポ,シリア by Masa

ここ二日連続夜行バス移動の僕らは、トルコのパムッカレで泳いだ後に軽くシャワーを浴びて以来、
丸二日シャワーを浴びてません。ベッドにも寝てません。

もし国境でビザが取れなかったら、国境の町アンタクヤで一泊してから、
イスタンブールに戻って(バスで16時間)、シリア領事館へ行って再度ビザ申請するか、
シリアを越えてヨルダンまで飛行機で行ってしまおうと思います。
三日連続夜行バスに乗るほどバス好きではありません。

アンカラからのJETのバスは至極快適。座席の間の頭のところに立てた枕が挟まれていました。
2人でひとつ?と思いましたが、頭を持たれかける位置にあり寝るのがすごく楽に。
Megに、珍しくよく寝てたね、と言われるくらいの爆睡で、9時間弱があっという間でした。


トルコはバス大国

シリアとの国境付近の町アンタキヤには朝7時過ぎに到着。
さっそくワラワラと人が寄ってきます。
僕らが用事があるのは、両替屋とバス。
シリアの町アレッポへ向かうバスの手配と、トルコリラ(1YTL≒60円)→シリアポンド(1SP≒2円)への両替です。
シリアのビザを持っていない僕らは玉砕覚悟で国境へ向かいます。
シリア側に抜けた後で両替ができればいいのですが、なぜかシリアではトルコリラの両替は難しいらしい。
全額シリアポンドにしました。
もし国境で追い返されたら、このシリアポンドを再度トルコリラにすればいいやと。
両替の手数料なんぞ気にしてられません。
大事なのはビザがとれるのかとれないのかのただ1点。

中東・アフリカ・中央アジアを旅行する人を悩ませるのがビザ取得。
中でも旅行者たちから、名誉ある世界3大取りにくいビザの称号を与えられるのは、イラン、ブラジル、そしてシリア。
アンカラのシリア大使館にて早速シリアの洗礼を受けた僕らは、国境で取れることもある、という不確かな情報を頼りに国境突撃を決意しました。
直前のパムッカレにて会った、ヨルダンからシリアへ入った日本人女性は国境で簡単に取れたと言っていました。
ネット上のいろいろな旅行者の体験談を見ると、
やっぱりダメだった、とか。
バスの職員ががんばってくれた、とか。
取れたけど7時間待たされた、とか。
同じ質問を何度もされた、とか。 さてどうなるのでしょう。
バナナ4本、りんご2個、パンケーキ4切れ、水1.5リットル、オレンジジュース1リットル、オレオ5枚、ポテトチップス1袋を備蓄。
長期戦ドンと来いです。

そこまでしてなぜシリアに行きたいか。
遺跡や物価が安いなどもありますが、一番の理由は多くの旅人が証言する、シリア人はとても親切、というセリフ。
シリアっていう国にどんなイメージを持ってますか? 中東、危ない、石油、テロ、とかでしょうか。
個人的には、ワールドカップの一次予選で対戦する国、
いつぞやのアジアカップで遠藤保一を誤審で一発退場させた審判の国、という印象。
人がとても親切、という話は日本を出てから初めて聞きました。

シリアとの国境へ向かう途中からは1キロ以上トラックの列ができていました。
きっとトルコからシリアへ抜けるのに時間がかかるのでしょう。
バスはトラックを全部抜かして国境に到着。
まずはトルコ側をあっさりと出国です。
滞在日4日間、3泊中バス内泊が2泊というダッシュな国でした。
腐れ連合バス会社Metroの連中以外はみんなやさしい人たちでした。

いよいよシリアのビザ取得手続きです。
バス内に旅行者は10人程。
ビザ未取得者は僕ら2人以外に、オーストラリア人が2人。
4人で運命共同体結成です。


シリアとの国境へ向かう車内

前に座るのが運命共同体のオーストラリア人カップル

運命共同体の4人は別室へ連れて行かれます。
軍服で髭・胸毛ボーボーのアラブ系軍人のおっちゃんが偉い人みたいです。
まずは僕ら日本人。

おっちゃん「どこ行くの?」

Meg「アレッポ、パルミラ、ダマスカス」

おっちゃん「どれくらいいるの?」

Meg「7日」(←嘘)

おっちゃん「どうやって日本に帰るの?」

Meg「(ヨルダンの)アンマンから飛行機で。」(←大嘘)

おっちゃん「1人20USドルね。」

OKらしいです。
早っ!!
アンカラでの苦労とこれまでの心配は一体なんだったのか。
建物内の銀行で支払いを済ませてお終い、と思ったのですが、運命共同体のオーストラリア人が揉め始めました。

おっちゃん「う〜んと、1人100オーストラリアドルね。」

オーストラリア「はぁ!?高すぎる!!!」

おっちゃん「払わないとビザ出さないよ。」

オーストラリア「先日友人は40でビザがもらえた!!」

あらまぁ。ずいぶんと揉めております。
直前にマルチビザ(シリアに複数回入国できるビザ)を取りたい的なことを言ったのがマズかったのでしょう。
日本人だったらすんなり払うんでしょうが、彼らは我を通します。
そんな中、バスのスタッフが懸命に仲裁に入ります。
スタッフgood job。

他にもそのスタッフは、このパスポートが終わらないと君たちの手続きは始められない、と50冊くらい山になった パスポートを見せる髭おっちゃんを説得して僕らのを滑り込ませてもくれました。
手続きにかかる時間はバススタッフの腕次第かもしれません。
Megのプリーズ100連発も少しは効いていたのかもしれませんが。

対決はまだ続きます。

オーストラリア「そんなにたくさんのオーストラリアドルは持ってない。」

おっちゃん「USドルかユーロはあるだろ。そこの銀行で両替してこい。」

オーストラリア「シリアポンドをオーストラリアドルに両替はできないのか?」

おっちゃん「シリア(俺)とオーストラリア(おまえら)は関係が悪い(両替できない)んだ。」

お、なんかおっちゃんが上手いこと言った(笑)、とニヤニヤしていると、
なにニヤニヤしてんのよ!、ビザ下りなかったらどーすんのよ!、と睨みをきかせてくるMeg。
日本国内の治安維持も大変であります。

てな感じで、ビザが下りる下りないはこのおっちゃんの機嫌次第。
そりゃぁビザの可否は不確かな情報になりますよ。

国境におけるシリアビザ取得に関する結論は、おっちゃんの機嫌とバスのスタッフの腕次第、
ということになりました。

しかし、この後も注意しなくてはなりません。
職員全員作業が非常に雑。
よくよく確認しないと大変なことになります。

パスポートにビザがもらえてバンザーイと思っている僕ら。
2人のハンコを見比べてみるとなんか違う。
Megの方には「15days」と書いてあるのに僕のには「3jours」。
もしや数日しか滞在できないトランジットビザでは!?と髭おっちゃんのとこに確認に行くと、
「ん?このハンコちゃうやん。」という表情。
ボールペンを出すと、グリグリとビザの上からなんか上書きしました。

え!?手書き!!?( ̄п ̄)

もはやなんでもありです。
無事に通常の滞在ビザになりましたとさ。たぶん。


手書きの修正

国境を越えてアレッポに着くと、どこだかサッパリわからない場所に降ろされる旅行者たち。
キョロキョロしている僕らにふらふらと寄ってくるシリア人たち。
流しタクシーもやってきます。
モロッコだったら会話のほとんどは金額交渉だったのに、シリアの人々は親切にいろいろと教えてくれます。
お〜、やさしい。
僕ら2人も親切なシリア人が町の中心地まで連れて行ってくれました。
コミッション狙いのホテル紹介もなにもなく。


アレッポの街並

町の中心部にある時計塔

とりあえず今日はここ数日の移動の疲れを癒します。
久々のシャワーは気持ちいいです。


写真を撮ってくれと言ってきた地元少年
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