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クネイトラ 2009/10/08 ダマスカス,シリア by Masa

中東は戦争の絶えない地域という印象があります。
土地を奪い、奪われ、都市を作り、壊され…。

時代と共に景観が移り変わるのが常ですが、
そんな戦争の痕跡がそのまま残る都市があります。

クネイトラという都市があるのはゴラン高原。
ゴラン高原はシリア、イスラエル、ヨルダン、レバノンに囲まれており、しばしば領地争いの中心となった地。
異なる国々が占領、撤退を繰り返し、現在の様子を作り上げたのは1967年のイスラエル軍撤退のとき。
クネイトラから撤退する際、イスラエル軍はこの街を爆撃していった。
シリア政府はこの地をイスラエル軍の残虐行為の記録として、そのまま残してあるということです。

シリア国民のイスラエルに対する憎しみは相当なもので、街中でうっかりイスラエル、と口にしようものなら
周辺の人々がジロリとコチラをみてきます。
なので中東を旅行する旅行者の間では隠語としてイスラエルをディズニーランドと呼んでいます。
僕らも同様にディズニーと言ったり、ネズミーランドと言ったりしています。
連呼しているうちに行くのが楽しみになるのはディズニーマジック。

シリアの首都ダマスカスからクネイトラへ行くのは少しめんどくさい。
手順としては以下の通り。

1.ダマスカス新市街のクネイトラ行き申請所まで行く。

2.パスポートを渡して申請作業。15分くらい。許可証をもらう。

3.近くの道(坂を上に2つ上がった交通量の多い道)でガラージュ(乗り合いバス乗り場)ソマリア行きのセルビスを捕まえる。(1人、15SP(30円))

4.ガラージュソマリアでアルナバ行きのセルビスに乗る。(40分、35SP)

5.アルナバでクネイトラ行きのセルビスに乗る。この際、許可証チェックとガイド同伴。

6.クネイトラへ。

という感じ。
僕らはアルナバ行きのセルビスのあんちゃんがそのままクネイトラまで乗せてってくれたため、
ダマスカスからダイレクトでたどり着けました。
このセルビスを貸切でクネイトラ内を巡り、ダイレクトでダマスカスまで帰還。(400SP。1000SPからの交渉。)

クネイトラではセルビスが出発しないため、ヒッチハイクなどが嫌な方は高額(といっても千円未満)ですが、貸切もいいかもしれません。

一番苦労したのはまさかの手順1。
タクシーで行こうとしたのですが、運ちゃんが場所を知らない。
最初のタクシーで自身満々に連れてかれた場所は、入国管理局。
おまえらビザ延長したいんだろ?的なジェスチャー。
違うっつーの。
しかも2人50SP(約100円)で同意して乗ったのに、降りる際1人50SPとかごね出す始末。
そういうことの積み重ねが、結局自分たちの首を絞めることがわからない連中。
首都ダマスカスはシリア人のやさしさを感じるのが難しい場所のようです。
50SPだけの支払いでさようなら。

次のタクシーが災難でした。
よぼよぼのおじいちゃんドライバー。
珍しくメーターの料金でいいよ、と言うので優しいじいさんだと思ったのですが。(観光客の相場はメーターの約2倍)
こちらもクネイトラ行き申請所の場所をまったく知らない。
乗る前に言って欲しい。
OK、OKじゃないよ、おじいちゃん。
道端のシリア人にひたすら聞きまくるベテラン運転手。
グルグルと渋滞する道路を回りに回ったあげく、最終到着地は先ほど乗車した入国管理局というコントばりのオチを放ってくれたこのご老人。
途中からとっくにMeg大明神の怒りも頂点に達しておりまして、一銭も払わずに下車。
道端の人に聞きながら歩くこと20分。
ちゃんと着くじゃん、申請所。

安宿街から約2キロと離れてますが、タクシー利用の際は申請所から500メートル程離れたウマイヤド広場まで連れてってもらってから徒歩で行くのが正解かもしれません。


だいぶ前置きが長くなりましたが、クネイトラ、かなり悲惨です。

最初に案内されたのは病院跡。


病院跡

弾痕だらけの壁

完全に廃墟となった病院内部

弾痕や瓦礫を指差し、イスラエル、イスラエル、とガイドの兄ちゃんはいいます。
爆撃当時どれだけの職員、患者さんがいたのでしょう。
病院勤めだったMegは結構ショックを受けているようでした。

続いて、イスラエルとの境界線(国境?)までやってきました。
周囲は有刺鉄線に覆われていますが、ふと目線をずらすとのどかな農業地帯が広がります。
この風景には銃よりも畑が似合いますよ。

ここクネイトラは国連管理下の非武装地域。
UNと書かれた車が国境を往来しています。


有刺鉄線の向こうはイスラエル

アラビア語しか離せないガイドの説明を聞くMeg

セルビスでクネイトラ内を移動する間に目に入る光景のほとんどは崩れた建物。
分厚いコンクリートの壁も砲弾の前には意味をなしません。怖い。


ぺしゃんこのコンクリート

続いて、モスク跡、教会跡へと案内されました。
イスラム教、キリスト教、それぞれのお祈りの場所が無残に破壊されています。


モスク跡

爆撃されたモスクの周辺

教会跡

荒れ果てた教会内部

イスラム教、キリスト教、ユダヤ教が穏やかに共存していた以前の生活は見る影もありません。

同一の宗教から派生したこれらの宗教。(←最近知った。。。)
聖地だと言い張る人々、やられたら倍返しする人々、裏でいろいろ操作しようとする人々、
みーんな元はいっしょの宗教。
無宗教の僕は、なんだかなぁ、と思ってしまいます。

揉め事はナメック星でやってください。

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